誰か交渉力のある弁護士が必要だ
阿久津弁護士は、交渉力に特別秀でている。
そして、交渉の現場では弁護士として、一人の人間としての総合力が試されるという。
阿久津弁護士の交渉で特筆すべきは、交渉した相手に信頼されて相談されるという数々のエピソードである。
ある詐欺事件の被告人弁護に付きました。
実刑も考えられる厳しい事件でした。
私は親御さんにお金を作ってもらって、とにかく被害弁償を始めました。
そして、最初に告訴した女性と直接会って示談の交渉をしました。
結局その女性が応じて下さって、被害弁償をして刑事事件としては終わり、執行猶予を取りました。
なるほど。
そうしたら1年半くらいたってから、その女性から突然電話がありましてね。
なんだろうなと思っていたら、自分の友達が法律に関わる問題で悩んでいると、で、誰か交渉力のある弁護士が必要だと。
ついては阿久津さんお願いできませんか、と。
だって、その人は事件の被害者でしょ?
そうです。それも刑事事件の。
先生がその人にした交渉って言うのは、要するに“これ(お金)で、納めて下さいな”と、そういう話をしたわけですよね。
平たく言うとそうなりますね。
そうしたら、その人から自分の友達の弁護をしてくれないかと、そういうことですか?
そうです。
あ、それはすごいですね!前代未聞ですよ。
それはその女性が、説得された挙句、この弁護士やるな!と思ったわけでしょ?
や、それはどうでしょう。たまたま、知っている弁護士が自分だけだったのかもしれないし。
だけど、相手を力づくで納得させたんじゃなくて、きちんと納得してもらったってことなんでしょうね。
その上で、この人はできる弁護士だと相手の印象に残ったのでしょう。そうじゃなきゃ、自分の友人の弁護を依頼できないですよ!これこそ交渉力ですね。相手の気持ちをきちんと汲んでいるんですよ。
確かに、相手の気持ちというのは、これは誰でもありますからね。そこを理解することは大切ですね。