弁護士になってから

弁護士になって最初にやった仕事は

司法試験に受かってからは、どうされたのですか?

阿久津弁護士(以下、阿久津)「たまたま縁があって、前の法律事務所に入れてもらえました。偶然が重なってね。
タイミングが良かったと正直に思います。」

こちらの先生はとても有名な方らしいですね。

阿久津「うちの大将は素晴らしい人格者です。自分は一生かかっても、ああいう人間にはなれないと思います。」

ところで、弁護士になって最初にやった仕事は何ですか?

阿久津「…鍵を取りに行った仕事ですかね。借家の賃料不払いで明け渡しの裁判がありまして、
こちらは貸主の側で明け渡しの判決が出ます。
ところが、勝ったものだから貸主が無断で相手の家に入っていってしまって。」

勝てば入ってもいいんですか?

阿久津「もちろん駄目です。それで相手が感情的になって鍵を渡さないと言い出したので、
私が相手の家まで行って鍵を受け取ってきた、というのが最初の仕事です。」

それは弁護士にとって、よくあるタイプの仕事なんですか?

阿久津「ないでしょうね(笑) 鍵を受け取ってくるまでは、ないでしょう。」

それって、鍵を下さいで、ハイそうですかって渡してくれるわけじゃないでしょう? 
相手は感情的になっているわけだから。

阿久津「そうですね。とにかく電話では話が進まないので、直接行って説得に説得を重ねました。」

よく説得できましたね。

阿久津「会って話をすれば気持ちは伝わりますからね。後でもめるのが嫌だとかという理由で、
行かない弁護士が多いと思います。でも、後でもめたとしたら、それは弁護士の力が足りなかった、
つまり説得の仕方が悪かった、ということですからね。」

なるほど。説得力と行動力の勝利ですね。

阿久津「修習の時に私が付いた弁護士が、素晴らしい人格者で。そして、現場主義を貫いている人でした。
例えば普通は交通事故の件なんかでも、事故現場まで足を運ぶ弁護士は少ないわけですが、
その弁護士は必ず現場に行く方でした。
きちんと写真を撮って、死亡事故ならばお線香をあげて。それを見習っただけです。」

事故現場に行くのですか?

阿久津「ええ、行きます。でも、そうした弁護士は少ないようで、相手側の保険会社に驚かれたことがありますよ。
事故現場に行ったのは先生が初めてですよって(笑)」

(笑)現在でも行きますか?

阿久津「ええ、行きます。ただ、なかなか時間が取れなくなってきているのが現状なのですが。」